須田幸英税理士事務所 事務所通信 平成27年6月号掲載
2015稲盛和夫経営哲学上海報告会
  先日、盛和塾の上海例会に参加してきました。中国企業家を中心に2,000人以上の多くの参加者が集まりました。私は、何回か参加していますが、現在、日本とあまり良好な関係でない中国の経営者が、なぜ、毎回これほどまでに集まるのか不思議でなりませんでした。
これに対し、稲盛和夫(北京)管理顧問有限公司 董事長より大変わかりやすい説明がありました。次のように述べておられます。

 最近、ある日本人記者が、「なぜ稲盛和夫氏は中国でこれほど広く熱烈に人気があるのでしょうか。稲盛氏は日本ではもちろん非常に有名ですが、日本では中国のような「稲盛ブーム」はありません。これはなぜでしょうか」と尋ねました。

 私は次のように応えました。「空気清浄機が中国で日本よりよく売れているのは、中国にはスモッグがあり、中国の空気汚染が日本よりも深刻だからです。稲盛哲学が中国で日本より影響力が大きいのは、おそらく中国社会の現段階の価値観の混乱が日本社会よりも深刻だからでしょう。これが第一の理由です。
 二つ目は、稲盛先生は高齢にもかかわらず、度々自ら中国各地を訪れ、中国企業家に自身の経営哲学を伝授しています。このような大愛無私の精神が私たちを深く感動させているのです。・・・・・
 三つ目は、中国は歴史文化が深く、哲学思想が豊かな大国です。加えて改革開放から30数年しか経っておらず、中国企業家の大部分が創業一代目であり、これは現在の日本と異なります。苦労を経験してきた創業者は稲盛先生に共感しやすく、稲盛哲学を受け入れやすいのだと思います。」

 私(須田)は特に第一の理由が、大変わかりやすく感じました。以前から中国に対しては、「孔子等が誕生した国にもかかわらず、俺が俺がといった自我をむき出しにした国になってしまった」、「大国になったけれども戦乱の時代が長く続いたため、より強固な国にしたいと思っているのでは?」という印象を持っていました。
 しかし、今回集まった人達のように真摯に稲盛哲学を学ぶ人が増加すれば、少しずつ中国も変わってくるような気がしました。
 今後、政治・経済において真に日中関係が改善されていくことを願っております。

    
                所長 須田幸英
 事務所通信6月号掲載
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